[[エンディング一覧]]

***エアED　風にまかせて [#b5a297f2]

 （ロストールのスラムの酒場にエアが入ってくる）
 
 スラム酒場の主人
 「いらっしゃい。何にしやすかね？」
 
 エア
 「…量はいらぬ。精霊神プレシオーネに
 ささげるにふさわしい、よい酒を。」
 
 スラム酒場の主人
 「は？　冗談言っちゃいけねえ。
 子供に出す酒はねえよ。」
 
 エア
 「なに？　親父、
 わらわの言うことが聞けぬというのか。」
 
 スラム酒場の主人
 「ああ、聞けねえね。
 俺あ、こんなとこで、
 酒場なんてやってるが、
 子供らの未来は、
 健全であってほしいからな。」
 
 エア
 「未来。未来といったな、親父。
 ならば、
 そなたの未来を、見てしんぜようか。
 役目を離れたとはいえ、
 風の読み手としては、
 まだまだ超一流じゃぞ。フフフ…。」
 
 スラム酒場の主人
 「だから、子供がなにスゴんでやがる。
 やれるもんなら、やってみろってんだ。」
 
 エア
 「ほう、わらわに挑戦するか。
 面白い。
 …見えるぞ。
 親父、そなたの未来には…。」
 
 （主人公、酒場に入ってきてエアをとめる）
 
 スラム酒場の主人
 「あっ、＊＊＊じゃねえか。
 まさか、
 あんたがこの子供の保護者なのか？」
 
 （主人公、説明する）
 
 エア
 「ほほほほ。のう、親父。
 これでわかったろうが。
 わらわは子供ではないぞ。
 エアの名ならば、
 そなたも知っておろうが？
 ん？」
 
 スラム酒場の親父
 「エア…？　エアってえと…
 ま、まさかあんた、
 あの、エルズのエアか！
 ひっ！
 こ、こいつは失礼しましたっ！」
 
 エア
 「うむ、苦しゅうない。
 ま、それに、わらわは、
 今では＊＊＊と旅をする身。
 世襲せしエアの名も、
 あってなきようなものよ。
 親父、酒を。」
 
 スラム酒場の主人
 「へええ、こいつはこいつは。
 …で、どこまで行かれる旅で？」
 
 エア
 「決めてはおらん。
 ただ、これだけはと思うておることは
 ひとつある。
 定めや運命などという魔物じみた存在に
 とことん逆らい、
 魔法などに頼らず子を宿し、
 子孫を残すことじゃ…。
 のう、＊＊＊？」
 
 （考え込む主人公）
 
 スラム酒場の主人
 「…無理が、ないですかね？」
 
 エア
 「なぜじゃ？
 わらわと＊＊＊は、
 これほど気が合うておるのに？」
 
 スラム酒場の主人
 「………………。
 ＊＊＊、あれだな、
 お前さんもなかなか大変だな…。」
 
 （肩をすくめる主人公）
 
 エア
 「親父、酒はまだか。」
 
 スラム酒場の主人
 「…時にエアさん、
 その御神眼で、
 ご自分の行く先は見えねえんで？」
 
 エア
 「何を言っておるか。
 わからぬからこそ旅は楽しい。
 …そうではないか？
 あらかじめ知ってしまっては、
 不運もないが運もない。
 不幸もないが幸もない…。
 じゃろう、＊＊＊？」
 
 （うなづく主人公）
 
 エア
 「みな、そなたがわらわに
 教えてくれたことじゃ…。
 ゆこう、＊＊＊。
 新たな土地へ、新たな未来へ…。」
 
 （主人公、うなづいてエアと共に酒場の出口へ）
 （エアだけ戻ってくる）
 
 エア
 「…親父、酒はまた今度じゃ。
 また、ここへは来る気がするのでな。」
 
 （エア、酒場から出て行く）
 
 スラム酒場の主人
 「気がする…か。
 エルズのエアが、
 そんな言葉を使うようになるとは…。
 世の中、面白いもんだね、まったく。」
 
 （笑う酒場の親父）
 
 Fin.